今の私にとって絵を描くということ

先日SNSで「自分は絵を描くことがまったく楽しいと感じないんだけど、みんな絵を描くことって楽しいの?」といった発言からこの話題で賑わっていました。
私はどういう気持ちで絵を描いているだろう?と改めて考えてみたのですが、
「楽しい」という感情なのかというと…正直、何か違う気がしました。
今の私にとって絵や漫画を描くことは、楽しいか楽しくないか、それだけで語れるものではなくなっていたようです。

息をするように毎日絵を描いているので、「生きていることって楽しいの?」という質問に近いのかもしれません。
だから、当然面倒くさいときも気分が乗らないときもあります。
それでも前を向いて進んでいくのが、人生だと思います。
だから、楽しいというよりは…人生かけてやっていることなので、そのときそのときで色々な感情と共にあります、といった感じなのかな。

そのことにその人がどのように向き合っているかは人それぞれ違うと思うので、
「楽しくないなら辞めたらいいのに」なんてことを他人が言うのは筋違いというか、侮辱にも近いものだと思います。
辞めるも続けるも、本人が決めることなんだから。

ただ私にとって、例えばギターを弾くことはとても楽しいです。
でも本気でギターと向き合っている人は、きっと「楽しい」だけじゃないことも経験しているんじゃないかなと思います。
趣味が仕事になった途端、誰かのためにやらなくちゃいけないという義務感が発生するからその苦しさなのかなとも思ったけど、
でもたぶんそれだけじゃなくて、趣味や娯楽といったものから「人生」に変化しているのかもしれません。
なんだか、そんな気がしました。

ここ数年は、「苦しさを乗り越えてしか喜びは掴めない!」という考えで無理矢理自分を納得させていたように思います。
でも、やっぱり「いつも楽しく絵を描いていたい!」という思いが強くなって、つい最近まで踠いていました。
楽しく絵を描いていた幼い頃の気持ちを忘れてしまったんじゃないかと思っていましたが、
絵と共に生きているんだから、「楽しい」以外の気持ちが生まれるのは当たり前だったのかもしれません。
(とはいえ、苦しさの原因は描くこと自体じゃなくて他のところにありましたが…。)
そして、過去の自分が頑張ったおかげで、今は自由に描けている気がします。
…それでも自由を失ったらまた自由を求めて、
きっとこれからも踠きながら生きていくのでしょうけどね。

もちろん、何かを作りたいと思ったときはワクワクするし、作りたかったものが完成したときは幸せな気持ちになります。
そしてそれが誰かに届いたら嬉しくなって。
それがすべての原動力です。

ただ一つ言えることは、私は誰が何と言おうと絵を描くことが得意だし、好きだ!